新着情報

2025年2月10日

2024年 手術実績と専門的な外科診療について

当院では、避妊・去勢手術から腫瘍外科、循環器外科、消化器外科まで幅広く対応しており、2024年1月から2024年12月の間に約900件の手術を実施しました。特に多く実施したのは不妊手術や歯科手術ですが、緊急症例や腫瘍外科、高度な外科手術にも積極的に対応しております。
 

詳細な外科実績

不妊手術(避妊・去勢)
・避妊・去勢手術:423件

健康な動物に対する手術だからこそ、安全性を最優先にし、適切な麻酔管理・疼痛管理・術後ケアを徹底しています。

歯科手術
・歯科処置(スケーリング・抜歯含む):200件

高齢動物や基礎疾患を持つ動物の歯科処置も、麻酔認定医の管理のもとで安全に実施。必要に応じて口腔内レントゲン検査や術前検査を行い、追加処置を提案し、口腔内の健康を長期的に維持できるようサポートします。

皮膚腫瘍外科(肛門腫瘍、耳介腫瘍、乳腺腫瘍を含む)
・腫瘤摘出:67件
・乳腺腫瘍摘出:30件

腫瘍の悪性度や浸潤性を考慮し、適切なマージンを確保した手術を実施。特に乳腺腫瘍は、腫瘍の広がりに応じた手術範囲の選定が重要となります。術後には病理検査を実施し、補助的な治療(抗がん剤治療、放射線治療、対症療法)や経過観察についてデータを交えながらご提案します。

腹腔内腫瘍外科
・胆嚢摘出:23件
・脾臓摘出:24件
・肝臓部分摘出:15件
・副腎摘出:2件
・腎臓摘出:2件
・膵臓摘出:3件
・腸腫瘍摘出:5件

近年、胆嚢疾患や肝臓疾患の発生率が上昇しています。内科治療で管理可能な場合もありますが、臓器の破裂や内科治療の限界に達した場合には緊急手術が必要になります。当院では多項目生体モニタリング(観血的連続血圧測定、心電図、呼吸、体温、筋弛緩モニタリングなど)やマルチモーダル鎮痛(オピオイド鎮痛、硬膜外麻酔、伝達麻酔)を駆使し、安全かつ早期離床を目指した高度外科手術を実施しています。

その他腹腔内外科
・腸切除:8件
・胃切開:6件
・胃拡張捻転症候群:2件
・膀胱切開:3件
・子宮蓄膿症:16件
・帝王切開:12件

消化器外科では、術後の回復を早めるために低侵襲手術を導入し、栄養管理を徹底することで術後合併症のリスクを最小限に抑える努力をしています。

胸腔内腫瘍外科
・心臓腫瘍摘出:2件
・胸腺腫摘出:1件
・肺葉切除:1件
・PDA(動脈管開存症)手術:2件
・横隔膜ヘルニア:2件
・心膜横隔膜ヘルニア:1件

胸腔内の手術は高度な麻酔管理が求められますが、当院では循環器認定医と麻酔認定医が連携し、より安全な手術を提供しています。

骨腫瘍外科
断脚:4件

疼痛管理を徹底し、緩和的手術の選択肢も提供することで、QOLを重視した治療を行っています。

その他の外科手術
・尿路変更術:3件
・口腔内腫瘍摘出:8件
・眼球摘出:6件
・内視鏡手術:12件

高度な外科手術を支える体制

1.高度麻酔モニタリングシステム
当院では、多項目生体モニタリングを活用し、術中の状態をリアルタイムに監視しながら安全な麻酔管理を実施しています。
・連続観血的血圧測定(IBP/NIBP)
・酸素・二酸化炭素レベルの監視
・カプノグラフィ(ETCO2)による換気管理
・心電図(ECG)による不整脈検出
・体温・筋弛緩モニタリング

2.先進的な疼痛管理と周術期ケア
術後の回復を早めるため、マルチモーダル鎮痛を導入しています。
・オピオイド鎮痛薬(フェンタニル・メサドン・ブプレノルフィン)
・局所麻酔(伝達麻酔・硬膜外麻酔)
・NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)
・NMDA受容体拮抗薬(ケタミン)

2024年の手術成績と今後の課題
2024年に実施した約900例の手術のうち、残念ながら胆嚢破裂を起こした犬1例と横隔膜ヘルニアで呼吸不全を起こした猫1例において、術後3日以内に死亡が確認されました(周術期死亡率:約0.2%)。
この経験を踏まえ、さらなる安全性向上を目指し、術前の状態安定化、麻酔・循環管理の強化、迅速な術後集中治療を徹底することで、周術期死亡率を0%に近づける努力を続けていきます。
今後も高度な麻酔モニタリングと疼痛管理を駆使し、より低侵襲で安全な手術を提供することをお約束します。

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